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INTERVIEW

サービスの価値を最大化する、設計と一次情報の価値

NODE コンサルティング事業ディレクター 安達 淳(あだちじゅん)

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  • NODE2020年5月1日
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前田俊幸(まえだとしゆき)

あるプロダクトやサービスを利用した際に、操作性が悪く細かい作業に時間を取られてしまう。そんな時に感じる“嫌な気分”は小さなものかもしれない。しかし、長く使うほど、大勢が利用するものほど、ユーザーが不利益を被る素になってしまう。だから安達 淳は、サービスがユーザーにとって不利益を生まず、利益を与えるものにするために価値を最大化することに力を費やしている。

中途半端なサービスを好まない

人が集うカルチャーをつくることが生業

Q NODEにつながったきっかけは?

代表の金と、前職で同じタイミングに入社しました。新卒の僕と同期のもう一人が、入社1、2ヶ月で金の直属で働くことになり、それから6、7年のお付き合いです。金がNODEを起業しようとしている時、他の選択肢と悩んでいる様子だったので、「どちらもはじめたほうがいいんじゃないですか」と話してもいます。その頃は僕自身、前職を退職して今の勤務先に通いながら、前職の部下とつくったBELLOWLという会社の役員や個人事業主としても働いていたので、安定収入を持ちながらはじめたほうが経営もうまくいくんじゃないかと思って。

Q 複業なんですね。どんな仕事をしているんでしょうか。

勤務先はメーカーで、新規事業開発や組織設計をしています。BELLOWLでは一次情報に当たる調査、自社プロダクトやサービスの開発をしていて、NODEではコンサルティングのディレクター業を受け持つことが多いです。

Q NODEでは、なぜ働いているんですか?

これを言うと話すなって言われると思うんですが、金さんへの恩返しが大きいです。お世話になっている分、機会もたくさん与えてもらいました。あとは…複業していると、生きづらいことが多いんですね。たとえば、経費の精算をする時も領収書を仕訳するだけで2日分の時間がかかる。だから、いろんなサービスを利用するんですが、使っていると、使う人にとっての価値への検討が甘いと感じるサービスに出くわし、不利益を被ることも多いんです。

そういう中途半端で使う人にネガティブな影響を与えてしまうサービスやプロダクトが世に出ることが好きじゃなくて、より良いものにしていく案件にNODEで積極的にかかわりたいと思っています。

Q 具体的にはどんな不利益を被るんでしょう。

人の時間を浪費させたり、不愉快な感覚を与えたりするサービスにそれを感じます。
たとえば、銀行の法人口座のオンラインサービスなのに、何一つオンラインで完結しておらず、事あるごとに店舗に書類を提出しなくてはならないケースがあったとしたら不便ですよね。その都度、再ログインすることは時間や気持ちを削ぐ。なのに、事業やサービスを開発する側は何を考慮していたんだろうと想像してしまいます。中途半端なことが嫌いなんですね。

ユーザーに利益をもたらす一次情報の重要性

人の行動に関与する仕事をしてきて、心に刺さった観点

Q 不完全な部分を残すサービスが世に出ることが嫌いですか?

いや、不完全でもいいと思うんです。新サービスのβ版を利用することは僕自身、好きです。でも、「どんな時に、誰が使うものなのか」の検討が甘いサービスは、パッと見てわかるんですよ。気になってしょうがないです。
僕は今の職場でサービス開発の勉強会を開いているんですが、そこでは“妥当性”をテーマに掲げています。いろんな観点があるとは思うんですけど、たとえば、ある特定のユーザーを対象にしたサービスを出す際に、理想的な姿を語っても、別の観点でその理想的な姿に欠点を産まざるを得ないことがあります。そのように、何かの正しさを語る時に、正しさとは別の軸が勝って世にものが出てくる意思決定機構を僕が理解できず、追求しているところです。

Q その“正しさ”を担保するために意識すべきことは何ですか?

自分たちが何かを発言したり、アウトプットしたり、世に出したりすることで、他者に影響を与える責任を取れるのかどうかを考えることだと思います。
簡単な話をすると、誰かに悪口を言われたあとに謝られたところで、自分が感じたザラついた気持ちは消えませんよね。それと似たような感覚を持っていて、世に何かを出すことは、自分だけでなく誰かにも影響を与えるということ、そしてその影響は価値とは別に、ネガティブな要素を持つこともあるという自覚を持ってアウトプットをしているかどうか。誰を対象にするのかが明確であれば、ターゲットを思い切りよく割り切る意思決定もできますし、そういうサービスに良いものが多いと思っています。

Q ご自身も対象ユーザーを明確にして、サービス設計しているわけですね。

「誰に、何を、どうするのか」という話は必ずします。クライアントのサービスに改善機能を追加する場合も、そのサービスと対象ユーザーに合わせて設計する。その上で、地道ですけど、プロトタイピングやユーザーインタビューなど、正しさの妥当性が取れているかどうかを検証する方法はたくさんありますよね。僕自身、ユーザーインタビューのモデレーターを1500人分はしてきましたし、調査結果も2000件は見てきました。

もちろん、インプットをすればアウトプットは変わっていくので、その都度、正しさの妥当性が担保されているかどうかを決める要素は変わっていきます。なので、その時点でわかっている中で、正しいとすることができる蓋然性の高い状態に持っていくことで、まずはいいと思うんです。
ただ、そういうことを考えない組織には、発想自体が欠けているとは思いますね。

不利益なものを生みたくない理由

エモくて、知的な連帯を数多く作りたい

Q 人に不利益を与えないものをつくろうとする意識が0か1かで大違いなんですね。

そう思います。1の状態で、誰かにとっては0の状態にするというのが責任を取る覚悟が決まった状態です。それが意思決定だと思っています。だから、やっぱり一次情報に当たることは肝心ですよね。対象ユーザーに対して、誰かの解釈を聞いても、それはものの見方の一つでしかありませんし。ものの見方は人によって変わってしまいますから。

Q なぜ嫌な気分を感じさせたくない、という意識が強いんでしょう?

僕自身、嫌なことや嫌いなものに関わりたくないと思うからでしょうか。大学の頃から、何かを言っても謝れば済むと思っている人は正直嫌いでしたが、その意識がより強くなったのには2018年に大病を患ったことが大きいです。

その時に、時間を無駄にしたくないと思ったことはもちろんですが、自分の体にストレスをかけることは本当に良くないことだと思ったんですね。それで、僕自身が一番ストレスに感じることは、嫌なものや嫌いなことに関わっている時だったので、一切やめることにしたんです。

Q 何がストレスですか?

いいものをつくろう、という意識に欠けた人と働くことでしょうか。わからないことはいいんです。でも、前提に意思がないと。
でも、意識や想いさえあればどうにかなると思っているわけでもないので、携わる仕事では下手なものを出さないように、「どんなタイミングで、何に対して、どれを検証していけば必要条件を担保できるのか」、「どの観点があってはじめて、次に進める体制が整うのか」といったことを踏まえて、事業や組織の設計をしています。

Q そこまで気にかけるのは、他の誰かにも嫌な想いをさせたくないからですか?

それは減らしたいとも思いますが、巡りめぐってそのサービスをいつか自分が使うかもしれないからという気持ちが大きいです。ユーザー数が増えれば増えるほど、自分が使う可能性は高くなるわけで、そこが醍醐味なのかもしれません。
最終的に、自分が「超ほしい!」と思えるものをつくることができたらという思いがあります。

Q これまでで、これは良くできたと思う仕事はありますか?

まだ世に出ているものの数はそんなに多くないんですが、1個うれしかったのは、BELLOWLのインターンの学生があるサービスをほめていた時に、それが僕と前職のメンバーでつくったものだったことです。対象ユーザーを絞って、そのユーザーにまさに当てはまる学生だったので、喜ぶ様子を見ることができてすごく嬉しかったです。

Q NODEではこれからどんな仕事をしていきたいですか?

既に世に出ているサービスや、プロダクト内で追加のサービスをつくる案件には携わりたいですね。そういう案件に携さわることができる距離にNODEはいると思うんです。その時は、一次情報に当たることを大事にして、ちゃんと調査をやり切り、考察する一連の所作を気にして仕事をしていくと思います。

もちろん、案件ごとの品質を担保することになりますし、それが巡りめぐってNODEの品質を担保して、新しい価値を出すことにつながると思うので。

安達 淳(Jun Adachi)

1990年、東京生まれ。東京大学農学部環境資源科学課程を卒業し、新卒でUXコンサル企業に入社。顧客中心でのサービス・事業開発の案件を担当する。現在は大手メーカーの新規事業開発を企画・推進する傍ら、顧客調査やプロダクトの自社開発を行うBELLOWL社も設立。個人事業主としてコンサルティングを行うのと並行して、NODEでもコンサル案件のディレクターを副業として担当。趣味は料理をすること。

取材・文/新井作文店 写真/雨森希紀 ヘアメイク/江頭亮子 デザイン/吉川 渉 構成・ディレクション/丸山央里絵

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