映画を撮り、世界を放浪して、広告制作会社からコンサルタントに転身した山内 健太郎。「映画やアートの世界だけではなく、どのフィールドでもクリエイティブ脳は生かすことができる」と話す彼が、独特の比喩で仕事の面白みや未来の姿について語ってくれました。
前職は広告制作会社に勤めていて、辞めて半年ほど実家の花屋関連のオンライン事業を立ち上げる手伝いをし、その後NODEに参画しました。広告会社では、ダイレクトに顧客に何かを届けられている実感があまり持てなくて。花屋の事業をやってみて、お客さんがどういった満足をしたら商品を手に取ってもらえるのか、そんなマーケットの動きを直接感じられたことで、マーケティングやコンサルに興味が出てきたんです。なおかつ、社会や人々に良い影響を与えられる仕事ができたらと常々思っていた中で、転職エージェントから「山内さんのような考えの方に本当にお勧めのコンサル会社がある」と紹介されたのが、最初のきっかけです。
面談前にサイトを読み込み、金 均という代表が掲げるビジョンに共感したんです。「自由と共創を重んじる」。文字面だけ見ると夢見心地な言葉です。でも、社長インタビューを通して、そこへの信念や正直さが伝わってきて。ただ「自由っていいよね、みんなでつくるのは楽しいよね」ではなく、まず実現したい社会やエンドユーザーの満足などのゴールがある。その一つのゴールに向かって、いろいろなパートナーと、クライアントさえもパートナーとしてともに歩んでいけるように企業体をつくったというところに共感しました。
入社からずっと、大手嗜好品(しこうひん)メーカーの案件を担当しています。ある商品を購入から離脱せずに定着して使っていただける、商品満足度が向上するような顧客接点のあり方について考えています。具体的には、課題を洗い出したうえで、サイト上の動線や表現の改善をご提言する仕事です。
僕は、広告会社にも新卒で入っておらず、ロンドンで映画を作ったり、世界中をバックパッカーで周ったり、ひたすら自分と向き合いながらトライした時期を経て、就職したという経歴です。コンサルという新しいフィールドで自分に何ができるのか分からない中で、ビジョンに共感して入社を希望した。それをNODEは受け入れてくれたけれども、どういう形で僕を生かそうとしているのかちょっと不透明だったんです。
だけど、いざ入ってみたら僕の強みであるデザインやクリエイティブな思考を生かす案件に関わらせてくれて、NODEのコアバリューを生み出す仮説立てや、クライアントやエンドユーザーのバリューになる施策をしっかり考える仕事を任せてもらえています。スピードがとても速く、常に自分の能力の二倍脳みそを使っていかないといけないつらさはありますが、「こういうことを実現したいから、あなたにこれを任せたい」としっくりくる形で仕事できていて、充実しています。
デザインというと聞こえがいいですが、洗練されたデザインを求められているわけではありません。僕の考えるNODEの仕事では、プロトタイピングのプロセス、つまり刺激物になる具体的な試作を顧客に調査であてて、反応を見て、ビジネス的に必要な要件を提言するという流れが大切です。そのために、仮説をいち早くアウトプットする試作物という意味で、“デザインみたいなもの”が必要になってくる。一つの案件の中で、左脳的な論理とデザイン、自分ではその二軸で動いている認識です。
また、ある案件では、商品の購入から定着までのカスタマージャーニーをクライアントさんに提案することになり、上長に「このシナリオを漫画みたいに描けない?」と聞かれました。僕は映画を撮っていたので、絵コンテを描けるし、ストーリーラインもイメージしてアウトプットできる。いざ描いてみたらイメージしやすくなって、クライアントへの報告資料にも使われ、先方の社内にも広がったそうです。自分の強みを生かしてアウトプットできるのはとても面白いと思います。
思考の部分は壁にぶつかっています。映画を撮っていたときは、感覚で作ることがかなり多く、逆に考え抜いて作った作品は酷評されていました。そうやって感覚で生きてきたので、順序立てて、言語化する作業が苦手だったんです。それに、映画って作者が解を出すんじゃなくて、解を観客に委ねるものなんですよね。だから、論理的に書いてアウトプットするというフレームは、まだ試行錯誤の段階です。
将来像を答えることは、僕にとっては難しくて。基本的には同じ目線で取り組める人たちと、社会にとって良いことをしていられればハッピーなんで。
極論を言うと、僕は自分の人生をこうしたいとか、興味がそんなにないんです。どちらかというとただ人生を眺めていたい。アクターだけでいられないって言うのかな。どういう舞台にしたいかは特になくて、即興劇を見て楽しんでいたい感覚です。それがつまらない劇じゃなければ、三文芝居でも何でもいい。ただ、僕は一人劇を観たいわけじゃなくて、そこに人が関わってきて、意外な人物が登場してきて、こんな展開になっていくのか…!という驚きがほしい。今は、『第二幕 NODE』でしょうか。そこでアクターでありながら、演出家であり、観客である僕は、自分がどう立ち回り、もがいているのかを見て、「こいつ、こういう時、こういう感じになるのか」と楽しんでいます。
見応えがあります。ベンチャーで成長段階の企業には、いろんな「役者さん」が入ってくるし、インターン生からパートナーまで年齢層も幅が広い。そういう人たちが同じ目線に立って、「おまえは新人だから、木の役やれ」じゃなく、新人だけど準主役を張れる舞台です。集まった人たちと、ただ単純にいい舞台を作り上げることが目的という雰囲気があるので、予期せぬ展開だらけの舞台で面白いですよ。
比喩ばかりですが、先ほどの目指すコンサルタント像は「コンサートマスター」といえるかもしれません。第一バイオリンで、演者としても一流。指揮者の意図を汲んで、オーケストラ全体をリードしていける存在。指揮者がいなくてもいったん、コンサートの本番前までに仕上げられる状態に持っていける力があれば、指揮者という上長の労力を軽減できる。今の役は、演奏も杜撰(ずさん)で、指揮者に「おいおい」と言われているバイオリン見習いの少年でしょうか。だけど、3年以内にはコンマスになる。
10年後、20年後はどこで何をやっているかわからないけれど、あの時あんな舞台を、音楽を作り上げたなあ。だから今はこれをやっているという地続きの連続があれば、僕としてはハッピーです。
1994年、埼玉県生まれ。青山学院大学 法学部法学科 メディア専攻卒。ロンドンに留学して映画製作を学び、広告制作会社からNODEへ。趣味は料理、登山、写真、レコード集め、ジム。農場で制作した『FARM』でフィルムフェスティバル受賞歴あり。家畜と人間を対比させたモキュメンタリー映画で、ラストシーンでは自身が羊のマスクをかぶって踊った。
企業変革のために、人の「NODE」をつなぐ流儀
金 均
代表取締役
諦めず、泥臭く。クライアントとユーザーの幸せを求めて
合田 未怜
NODE 取締役 コンサルティング事業担当
約束以上の成果を。もがいて見つけた一つの答え
豊永 泰士
ディレクター
ミッドライフクライシスに葛藤しつつ、価値創出に力を尽くす
細井 睦弘
シニアコンサルタント
立場を越えたアイデアで、顧客を幸せにするサービスを
伊藤 英里
人事・採用副統括 シニアコンサルタント
話術が得意の営業から、飛び込んだコンサル道
栗原 賢
マネージャー
未体験の挑戦を続けて、自己の可能性を広げていく
森 ゆき
Webディレクター
立ち止まらず手を動かし続け、前へ進んでいく
田中 駿祐
マーケティング&セールス副統括 シニアコンサルタント
高い視座と深い思考力、自分の強みを求めて
伊藤 翔一郎
コンサルティング統括
物事の本質を見つめ、良い社会を作っていく
谷相 圭一
シニアコンサルタント
考え抜き、経験を積み、勝率を上げていく
加藤 拓斗
シニアコンサルタント
「なかった頃には戻れない」という物やサービスを世に出すために
石田 直行
マーケティング&セールス統括
おしゃれなものの社会的価値を上げる第一人者になりたい
市川 由佳
コンサルタント
情報、人、会社、そして歴史をつなぐ観察眼
相澤 利彦
顧問・イノベーションプロデューサー
人に価値をもたらす最後の一手はカルチャーを生み出す力
竹内 崇也
エグゼクティブディレクター
複業を楽しくするニュートラルな選択
堀込 泰三
客員ディレクター
人と環境の間に生まれる意味を、コミュニティにつなぐ
前田 俊幸
コンサルタント
ルールの最小化で創造性を導く、インフラ構築を
西澤 篤央
コンサルタント