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INTERVIEW

人に価値をもたらす最後の一手はカルチャーを生み出す力

NODE エグゼクティブディレクター 竹内崇也(たけうちたかや)

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  • NODE2020年4月2日
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竹内崇也(たけうちたかや)

実業はアートである。MAUやCVRといったデータをロジカルに扱う視点と同等かそれ以上に、ユーザーが楽しむ仕組みをつくり、社会を巻き込むことに日々向かい合う。そんな日本有数のマスサービスを運営し、知見を深めてきたのが竹内崇也だ。コンサルティングを強みにするNODEに実業の経験をトッピングして成功確度を高める存在として、これからの日本企業の発展をドライブする。

人が集うカルチャーをつくることが生業

人が集うカルチャーをつくることが生業

Q NODEに関わった経緯を教えてください。

NODE社長の金とは、アクセンチュア時代に同じプロジェクトのメンバーで苦楽を共にした仲間でした。それで彼の人となりはよく知っていて、かつ、NODEという会社の話を聞いた時に、いろんなバックグラウンドを持つ外部の人をつなげながらビジネスをしていくというポリシーに共感したんです。

私は伊藤忠商事を経て、アクセンチュアに入り、転職を重ねるなかで、カカクコムの「食べログ」をはじめとした実際のサービスの成長をドライブする経験をしてきたので、コンサルティングの経験を重ねてきた金とは被らない。相互に組み合わされれば、足し算ではなく掛け算になるんじゃないかと思いました。

また私自身、海外の企業に圧倒されている感のある日本企業は、深い知見を持つプロ人材を複数の会社で有効活用することが求められるのではと考えていて、NODEがやっている取り組みと重なる部分が多いと感じたというのも大きいです。

Q NODEやさまざまな企業に竹内さん自身の実業の知見で貢献したい、という考えなんですね。

そうですね。実業の人たちは、よく「実業はコンサルじゃない。アートだ」って言うんです。つまり、物事を成立させるのはユーザーの機微をつかむ能力だと。私もそう考えています。たとえば「食べログ」をはじめる際も同じようなサービスはいろんなところで生まれていて、成功と失敗がある。成功に導くのは、そのサービスでユーザーがどんなことを楽しみ、何に価値を感じてくれるのか、というカルチャー作りに徹底的に向き合い妥協しない、そんな組織風土が息づいているかどうかなんですよ。
これまでユーザー目線のカルチャーをつくってきた知見をいろんなところで活かしていきたいです。

Q 竹内さん自身が、ロジカルよりもエモーショナルな視点で事業を捉える方なんですか。

最初はそんなことなかったけど、十数年そういう環境にいるとそうなっている気がします。仮にインターネットで新しいサービスを始めようとなった時、コンサル的な観点では、巨大なユーザーやシステム、資本を持っている会社に勝つのは難しいと思ってしまう。ただ、「ヤフオク!」がある中での「メルカリ」しかり、「ぐるなび」がある中での「食べログ」しかり、戦い方によっては十分勝てる。実際に、Twitterが日本でユーザー100万人から1000万人以上になるのに、1年程度しかかからなかったからね。

たとえば、昔、NTTドコモの「iモード」が世の中に出た時って、小さな携帯の画面でインターネットなんか使わないんじゃないの? という意見もあった。でも、新しいものを面白いと思って使いはじめる企業がいて、その企業がiモードでキャンペーンを展開するとそれを目当てに新規ユーザーが集まる。その様子を見ていた別の企業が最初は興味を持っていなかったけど、噂を聞きつけてiモードを利用しはじめる、そうするとその企業のユーザーもネットワークに参画する。なんかパチンコがフィーバーするような状況をどうやって生み出すか、そんな戦い方を成功に導くのはやっぱりロジカルというよりエモーショナルな感じがします。

ファクトを第一に、周りを巻き込んで動かす行動力

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Q 実業の知見を活かして、NODEでどんな仕事をしていきますか?

いい年齢になってきたので、いろんな企業のマネジメントに知り合いがいる感じになってきています。これまでは自分の会社のサービスのことだけ考えていたけど、折角、自由に考えられるようになったので、そんな方々に、「本当はこんなことをすべきなんじゃないの?」みたいな話をし始めています。これまで大企業からベンチャーに渡り、会社の経営からサービスの立ち上げ・運営まで、幅広くやらせてもらったからこそ見えることもあると思ってます。

Q 具体的には、どんなことを話しているのでしょうか?

例えば、投資信託というテーマ。今まさにコロナウイルスの影響でマーケットは大変なことになっているけど、株のマーケットは、プロもアマチュアも同じ土俵で戦っているのが現状。今も相場では恐らくたくさんの個人投資家がタイミングや判断を見誤ったりしているに違いなく、プロの投資家だけが売り抜けられているはずなのだけど、それでいいのか。本当に、投資をはじめたい個人はみんなプロと同等の知識をつけていないと損をしなくちゃいけないのか、と。

もっと知識がない人でも運用ができるようにするのが、本来、投信の役割でしょう。だとしたら、なんで外国に比べて、こんなに個人金融資産のなかで投信にお金を預ける割合が低いんだっけ? どうやったらユーザーに本当の意味での投信の意味合いを伝えられるんだろう? みたいな話です。

Q 提案先に対して、新しい価値を生むような提案をしているんですね。

そうです。ネット企業にいると新入社員研修とかで、「ネットもいろんなサービスがあるから、これから世の中を席巻するような新しいサービスが生まれるジャンルなんて、あまりないんじゃないですか?」みたいな話になることもあるんですね。でも自分は全然そんなことないと思っていて、さっきの投資の話だけでなく、健康の話しかり、暮らしの話しかり、もっともっと便利になれるものはたくさんあると思うんです。

そんな可能性のある企業に、昨今のバズワード的になっているDX(デジタルトランスフォーメーション)でユーザーに新しい価値を感じてもらえることをしませんか? みたいな話をしています。

Q あくまでもユーザー側に立つことを心がけているのでしょうか?

ユーザー側に立って議論することは、昔から結構こだわっているかもしれない。ただ、大企業になればなるほど、あまり社内がユーザーの肌感を認識していないケースがあって、そこは心配になることがあります。

前にコンサルをやっていた企業でもそういうことがあったので、そのプロジェクトでは赤裸々にユーザーから見た競合比較をするために、実家の自分の部屋だった空き部屋に電話回線を十数本引いて、正常系・エラー系のプロセスを凄いボリュームの比較シナリオで比べて見せたことがあるんです。そこまでやって初めて相手先は自社の立ち位置を理解できるようになりました。大事なのはファクトとそれを把握するための徹底したこだわり、ねちっこさだと思います。

時代のスピードが速い今だからこそ、ユーザーがどんな状態なのかにちゃんと向き合ったインプットを元に企業運営をタイムリーに見直すことが大事です。もし「確かにそうしたい! けど、どうやったらいいのかわからない」と思われる企業があれば、サポートしていけたら嬉しいと思ってます。

今よりよくなることの積み上げで、日本の未来を温められたら

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Q どんな分野に関わることが多いですか?

インターネットに強いので、ネットは多かれ少なかれ関与しますが、あくまでツールとして使うに過ぎず、分野は全く偏りないですね。仕事でも、メディア・SNS・決済・ITソリューション・広告・エンタメと幅が広いですが、個人的なつながりで教育やスポーツに関わるものもあります。なんとなく接点を持つと、その業界ってどんな状態になっていて、そこを任されたとしたら、何を変えたらよりハッピーになるかって考えちゃうんですよね。

Q 自分との距離感が近ければ、仕事外でも提案しちゃうんですか!

何か、やっちゃうんですよ。なんとなく過ごしていて、これがああなったら面白いだろうな、こんな風にするとみんな嬉しいんじゃないかな、と思うことがあると、いきなり友人に提案書をメールしたり。2004年くらいに伊藤忠の同期が社長をやっているレストランに食材を卸す会社の新規事業として送った提案が、顧客であるレストランをシンジケートした弁当テイクアウトのサブスクモデルでした。我ながら15年前にこれを作っていたって、先見の明があるなって思いました(笑)。

Q そんな竹内さんがこれから仕事を続けていくと、どんな未来に近づいていけそうですか?

そんなに仰々しくは考えていないんですよ。私には子どもがいますけど、世間で子どもが被害に遭う事件が起こったら、どうすれば安全に生活できるようになるのかとか、みんなが大変だったり不便だったりすることを一つずつ変えていって、「変わってよかったね」と思ってもらえる仕事を積み重ねていきたいです。

Q あくまでも自分との距離感で未来も見据えているんですね。

でも、一方で日本のことを考えてもいます。この先、人口が減っていくと何が起こるのか。一つは経済規模が減っていくので、どうやって補えばいいのか。ざっくり解決策には二つあって、一つは移民を増やして規模をドラスティックに変えること、もう一つはインバウンドで旅行客に莫大なお金を使ってもらうこと。

私は現実的には後者だと思っていて、現状のインバウンドは神社のようなお金を使ってもらえない観光スポットに人が集まっているので、もっとエンターテイメントを盛り上げていきたい。実は親族に力士がいるのですが、相撲をはじめ、日本には海外に誇れる文化がたくさんある、それを海外の方にお金を払ってもらえるコンテンツにしていけたら、国も回っていく。そんなことができたら子供たち含めてみんな幸せになったりしないかな、なんて思います。

でも、そういう取り組みは一つの企業だけじゃ実現できないことも多いので、NODE含めていろんな会社と連携して一つ一つ文化を作っていければと思います。

竹内崇也(takaya takeuchi)

1970年、石川県生まれ。東京大学工学部船舶海洋工学科を卒業し、伊藤忠商事に入社。その後アクセンチュア・ぴあと転職した後、デジタルガレージに参画し、上席執行役員戦略担当グループCEO室長としてグループ戦略事業を牽引する。その後カカクコムに参画し、事業開発部長、経営企画部長を経て上級執行役員食べログビジネス本部兼メディア本部長として食べログのネット予約拡大を推進する。
2020年1月、Q-inksのCo-founder&CEOに就任。趣味は相撲と育児。

取材・文/新井作文店 写真/雨森希紀 ヘアメイク/江頭亮子 デザイン/吉川 渉 構成・ディレクション/丸山央里絵

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